ベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家、スタートアップアクセラレーター500 Startupsの創設者であり、Dave McClureは、企業が成長するための5段階のフレームワークを世界に打ち出しました。
そのフレームワークはAARRR、またはPirateMetricsとも呼ばれております。
AARRRとは
AARRRは、
- Acquisition(顧客)
- Activation(活性化)
- Retention(継続)
- Referral(紹介)
- Revenue(収益)
これらで成り立つ総称であり目標到達プロセスの最適化を理解し、スタートアップに価値のある実用的な指標目標を設定することに関して、最も大事なことの一つです。
これもグロースハックの記事で出てきましたね!
なぜAARRRなのか
AARRRは、スタートアップが注目すべき5つの最も重要な指標として広く受け入れられています。これらの指標が企業の成長を効果的に測定すると同時に、シンプルで実用的であるためです。
能書きはいいから、とりあえずやっていきましょうか。
Acquisition – 顧客はどこからくるのか
顧客が最終的にあなたの製品やサービスをどのように見つけるのかを示します。
これだけ情報に溢れた世界では、顧客は幅広いとこから偶発的にあなたのサービスや製品を見つけたり、クチコミによって辿り着いたり、さまざまなパターンが考えられますね。
そのため、顧客流れや売買を全体的に見ることも必要です。
これはサイト訪問者だけを見るとかそういうことではなく、どのくらい、そして訪問者がどのように顧客に変わっていくのかを見つけることです。顧客の動きを全て追い、最終的には、自社製品を使って欲しいと思うのは当たり前ですよね。途中のすべてのマイクロコンバージョンが重要なのです。デートで例えるなら、結婚した日だけでなく、初めて「愛してる」と言った日、デートした日など重要ですよね!(笑)
SaaSを例にとってみてみましょう。
- Webサイトへのアクセス
- 電子メールのサインアップ
- ウェビナーへの参加
- 営業チームとの電話
- 顧客への変換。
これらのすべてのステップは、リード(まだ顧客ではないが可能性のある人)の行動を理解し、顧客の旅を最適化するために測定する必要があります。
登録制のサイトやサービスを運営すると、なんらかの方法で顧客情報を取得できますね。ただし、メールなどを登録したからといって、あなたの製品を必ず購入するとは限りません。むしろ、無料で電子書籍を読めるとか、無料で一部サービスを使えるとか、顧客が望んでいるいくつなの独占的なコンテンツを使いたいからサインアップにしたに違いないでしょう。製品には興味はあるかもしれませんが、購入意向が必ず高いとは限りません。ここは注意して下さい。
しかし、もしそのリードが、例えば製品に関するウェビナーをみたり、その製品が問題解決をしたりしているのを実感するなど、次のステップに進めた場合、より可能性の高いリードになりえます。
つまり、購入するかどうか、あなたの製品の審査に積極的になってきます。 営業チームの出番は、このタイミングです。
どうすればあなたのウェブサイトに人々が目を向けるのか、ということを少し掘り下げましょう。
多くの企業、特に始めたばかりの企業は、ウェブサイトやアプリへのトラフィックを増やすのに苦労しますね。この場合は、DuckDuckGoの創設者でTractionの作者であるGabrielWeinberg氏によって紹介されたBullseyeFrameworkを紹介しますね。日本ではなかなか紹介されてない話です。
Bullseye Frameworkは、あなたのウェブサイトや製品の人気を促進する可能性のある19のチャネルを調べることを提案しています。それらすべてのチャネルを調査と考察をした後、1つのチャネルに焦点を合わせ、小規模バージョンでビジネスの成功をテストするというやり方です。
Weinberg氏は、さまざまな段階にいる全ての事業は、一つの単一チャネルが、顧客を集める主張なチャネルになると述べています。つまり、その主要なチャネルを見つけて、爆発的な(またはそのような)成長が見られるまで、あらゆる部分を微調整していきます。 すべてのトラクションチャネルに障害が発生した場合は、あなたの製品自体か市場との適合性に問題がある可能性があります。
自社に問うべき3つの基本的な質問
- どのチャネルが最もトラフィックを増やしているか?
- 最も価値のあるトラフィックを促進しているチャネルはどれか?
- 顧客獲得コストが最も低いチャネルはどれか?
Activation – 顧客の最初の体験
Activationは、Acquisitionと少しかぶる部分がございます。
Activationとは、顧客が製品を初めて体験することです。 アプリをダウンロードしたり、登録したりしてもらっても、顧客がすぐに利用をやめてしまってはするだけでは不十分ですよね。 そのため、ユーザーを「アハ体験」に誘導することが重要です。これは、ユーザーが製品の価値をできるだけ早く体験して、ユーザーに使い続けてもらうためです。 ユーザーが製品を使って、「この製品めっちゃいい!ハマった!」と言わせたら、あなたの勝ちです。
ActivationをAqcuision(顧客獲得)と明確に区別する理由は、サービスや製品にサインアップした誰かが顧客としてコンバージョンされても、必ずしもそれを使用しているとは限らないためです。
これについては、ビジネスの種類ごとに異なります。
例えば、E-コマースの場合、Activationはそこまで重要ではありません。それ以上に、あなたは顧客がどれだけのあなたのコンテンツを消費しているか、そして彼らがどのように消費しているかのほうが重要ですよね。そこに最適化を行うべきです。
人々がアプリをダウンロードしたのちに、またログインしてくれているかどうか、よく観察しましょう。
SaaSにおいては、あなたは人々があなたのプラットフォームを使う瞬間を見たいでしょう。人々があなたのサービスにサインアップしたときが、顧客獲得の瞬間と考えます。
その後は、顧客がその製品を使って満足や成功することを活性化することに向き合っていくべきです。
言い換えれば、活性化された顧客は、常にあなたの製品を使い続けてくれます。
Facebookは早い段階で、ユーザーが10日間で7人の友達を獲得したときに「アハ体験」をすることに気づきました。そのため、Facebookとメールアカウントを同期して他の友人をレコメンドする機能を付け加えたのです。
Twitterは、30人をフォローすると継続利用率が高いため、サインアップ時に人気のあるアカウントを提案することをはじめました。
Dropboxは、少なくとも1つのファイルをアップロードしたユーザーが、Dropboxを再び使用する可能性がはるかに高いことに気がつきました。そのため、サインアップ時にファイルをアップロードすることを勧めてきますね。
Retention – どのように顧客を維持し、なぜ顧客を失うのか
もしも、マーケティングの教会があったら、Retention信者になってもいいでしょう。企業のマーケティング活動だけでなく、製品全体の成功を評価するときに最初に注目するのは、顧客維持です。
Retentionは、人々が定期的にあなたの製品を使うことを意味します。E-コマースの例では、人々はあなたから一度だけでなく何度も商品を購入することになるでしょう。アプリの場合、常に使い続けてもらう必要があります。SaaSならば、サブスクし続けることになりますね。
一方で顧客離れも重要です。顧客の解約率を測定することは非常に重要であるため、これに関しは、あえて強調しておきます。
解約率から学ぶこと
解約率はあなたが良い製品/市場適合を達成したかどうかを教えてくれます。 多くの人が製品を使い始めた後に製品を解約している場合は、明らかに製品に問題がある可能性があります。
ビルゲイツの言葉で「Your most unhappy customers are your greatest source of learning」というものがあります。
あなたにとって嬉しくない顧客は、あなたにとって最も重要な学習源、という意味ですね。
次に、顧客の解約率が顧客の獲得率よりも低いことを確認する必要があります。 解約率が獲得率よりもはるかに低いなら、それは成長を達成する方法になります。
顧客獲得率 > 顧客解約率 = 成長
顧客解約率 > 顧客獲得率 = 金が燃えていく……
ハーバードビジネスレビューによると、既存の顧客を維持するよりも、新しい顧客を獲得する方が5〜25倍の費用がかかると言われています。
また、既存顧客はあなたとの信頼関係がすでに確立されているため、購入してもらえる確率が高いのです。したがって、「見知らぬ人」よりも、以前に獲得した顧客にクロス/アップセルまたは再販売する方がはるかに安価です。
では、どうすれば顧客維持率を高めることができるでしょうか。
最も簡単な方法は、連絡を取り合うことで顧客の心をうまく共有することです。 電子メールの自動化は、優れた方法の一つです。
Referral – 顧客を支持者に変える方法
成長を促進するための絶対的な最善の方法は、紹介を通じることです。 信頼できる一部の人々にあなたの製品について絶賛してもらうことができれば、マーケティングに多額のお金を費やす必要はありません。
紹介を実際に推進するには、一貫して紹介を奨励および生成する体系的なプロセスを実施する必要があります。
Dropboxは早い段階でそれを理解してました。
紹介で登録した場合は、16GBのフリー容量プレゼントキャンペーンなどを行っていました。そのようにして、紹介を推進していったのです。
Hotmailは基本的に、Hotmailアドレスから送信されるすべての電子メールに「Hotmailで無料の電子メールアカウントを取得する」を含めることで、ユーザーが意識することなく紹介できるような仕組みを構築していました。
ウイルス感染のようにクチコミを作っていくことができます。ウイルス係数やビリアル係数を用いて、クチコミを測定する例は、また別記事に紹介したいと思います。数学できる人は有利なのかも知れないですね。
Revenue – どうやって売り上げをあげるか
これまで説明した4つのAARR指標に従って最適化したことがあれば、収益はすでに順調に流れているはずです。それくらいAARRRは強力です。
収益と収益化計画を立てることはどんなスタートアップにとっても重要です。 非金銭的なプラットフォームとしてスタートしたFacebookやInstagramでさえ、その背後にある巨大な広告ビジネスによって、巨万の富を築いております。
では、顧客生涯価値(CLV)を増やし、顧客獲得コスト(CAC)を減らすことによって、収益を増やすための最良の方法は何でしょうか。
顧客生涯価値(CLV)は、顧客の生涯、またはむしろ会社の顧客としての存在している間に顧客から得られる収益の量です。
顧客獲得コスト(CAC)は、顧客獲得に費やす金額です。 これには、マーケティング、販売、会議、豪華な会食など、顧客をコンバージョンに導くために必要な費用が含まれます。 成長のためのCLVとCACの適切な比率は3:1です。
顧客獲得コストを削減するには、販売資源を最適化する必要があります。
要約すると、AARRRフレームワークは、ビジネスの最適化と成長の測定を検討するための最も簡単で効果的な方法なのです。