登壇者紹介
現地会場では、瓦そばを食べながらのトークイベント!!
困りごとに気づき、それを解決する
谷口さん:
私は幼い頃から生粋の猫好きで、社会人になっても仕事として私の命は猫に捧げたいと思っていました。
本当は猫にとって良くないペットフードとかが当たり前に流通しているのが現状です。そんな中で、利益だけよりもちゃんと猫のことを考えた商品を溢れさせたい。そういった思いから株式会社nyansを設立しました。
ナカムラ:
谷口は以前働いていたリクルートの中で、わりと目立った成績を出してたんだよね。
谷口さん:
そのリクルートの時に猫のチェルシー社長に出会って一緒に暮らすことになったんですけど、出張の時に預け先がなくてすごく困って。
近所の猫好きで猫にちゃんと詳しい人が、出張の時にうちのに来て猫を見てくれたらすごい楽だなと。ほんとはそう思ったのですが、当時そんなサービスはなかった。
そこで、『nyatching』というサービスを作ってしまって、起業したって感じです。
ナカムラ:
つまり、ペットシッターのマッチングサービス。
誰かの困りごとに気づいて、それを解決するのがスタートアップ。
だから、「多くの人がそういうことに困ってるな」ってことが分かれば、それはビジネスとして成り立つよねっていう考え方がスタートアップにはあります。
nyansは『nyatching』に共感したエンジェル投資家たちから3000万投資を受けた。
その資金をもとにエンジニアさんたちを集めて沖縄合宿をやるっていうのが、谷口と最初に会ったきっかけでした。
最終的に、nyansは5000万円の資金調達をします。
でも、『nyatching』はうまくいかなかった。
谷口さん:
『nyatching』のサービスは今も続けています!笑
創業者のちょっと狂った熱意が、会社を動かす
ナカムラ:
スタートアップのほとんどは5年くらいで死んでいく。
スタートアップに対して投資家が「一つの事業に集中しろ」とかそういうことを言ってくることがある。でも、実はそれをまともに聞いちゃうとおそらく先がない。
谷口さん:
絶対わがままを貫き通す。嫌われようと何しようと、自分の気持ち、やりたいことをメンバーに対しても絶対貫き通すっていうのが一番大事。
ナカムラ:
事業を最初に発想して動かした人には、絶対勝てないんですよ。
Appleを創業したスティーブ・ジョブズは「コンピューターは心のツールだ」って言って、安くパーソナルなコンピューターを作って世の中を変えようとした。
スティーブ・ジョブスは変人だったんです。だから、会社が大きくなってくるとまともな人が入ってきて、会社を追い出された。追い出された後にAppleは潰れかけます。
ナカムラ:
そのときのAppleは潰れるまであと資金が1カ月とかっていう状態。どうしようもなくなって、スティーブ・ジョブズが 呼び戻された。
戻ってきたスティーブ・ジョブズがiMacを作って、そこからAppleの快進撃が始まった。その後iPodを作ってiPhoneを作って、今のApple があるわけです。
資金があと1ヶ月って状態で、その未来を信じさせる。これは狂っていようがなんだろうが、スティーブ・ジョブズにしかできなかった。ほかの賢い人にはできなかったんです。
ほんとうに売れるものをつくるってそういうこと。創始者ってそれくらい大切なんです。
WeWorkだって、アダム・ニューマンがいなくなったらただのコワーキングなんだから。
谷口たちがなんで生き残れたかというと、周りで方向性の違う人たちを切っていった。nyansを本当にやりたくて金はいらないっていう副島と二人で、とりあえず飯を食うことをやれた。
これが、実はnyansが生き残った秘訣。
命綱は自分で握る
ナカムラ:
スタートアップって7年後の生存率が10%と言われていて、その中でnyansは生き残っていた。
どうしてSUNABACOがプログラミングを教えているかというと、スタートアップはだいたい ITのシステムを使う。でも、プログラミングができないと、自分がやりたいビジネスに対してエンジニアが「いやそうじゃない」とかって言い出して、エンジニアに命綱を握られちゃうんですよ。
ビジネスは最初に始めたやつが作りたいものを作って いくことがたぶん一番成功する。けれど、いろんな人の意見が入ってきてしまうと、プロダクトがどんどん変わっていってしまう。
谷口さん:
そう。『nyatching』もそうでした。最初のと全然違う感じになっちゃった。
ナカムラ:
だから株式は手放しちゃいけないし、エンジニアとコミュニケーションができる事が価値なんですよね。
谷口さん:
本当にそうです。そこがすごく重要だと思います。
ナカムラ:
意思決定に関することは、自分でちゃんと持っておく。
変えないものと、変えていくものを持つ
谷口さん:
私達は、猫を神にしたいと思っています。そうすれば猫に対して、変な扱いする人がいなくなるんじゃないかって。
副島さん:
神って言っちゃうと、ちょっと伝わりづらいかもしれないけど、
猫がもっと幸せで、もっと健康な暮らしができるような状態を作りたい。
谷口さん:
この世に生まれたすべての猫が幸せになるって思えたら、私は安心して死ねると思うんです。
ナカムラ:
nyansはこれから大きなビジョンをやるために小さな商品販売から始めて、それで収益を残していって、次のものに投資をしていく。
ピボットはしてるけど、本質的には多分変わってないんだよね。
副島さん:
いま、猫のことを想って猫ドリブンで一貫してやってる所って本当にないんです。
飼い主からしても、猫を愛するための情報にアクセスできない仕組みになっています。
ナカムラ:
そう。彼らの、nyansのコアバリューは猫が幸せに生きるために、飼い主である人間に対して啓蒙を行うということ。そして、それにフィットする商品を販売していくっていうところ。そこはずっと変わらない。
生き残る。そして変えていく。
ナカムラ:
スタートアップにおいて、営業力があって生き残れてること。そして、プロダクトを作ってピボットしながら成長して成功していけるってすごく大事なこと。
スタートアップで1回死んでピボットしましたってあんまり語られないし、それこそ、調達しておめでとうっていうのがニュースになったりする。そういう世界だと思われてる。
でも、そうじゃないんだってことをみんなに知ってもらいたいんです。
本当に自分が何かやりたいなと思ったら、それは世の中にとってすごく必要なことかもしれない。それを待っている人がいるかもしれない。
だから、みんなで新しい価値を生み出しながら、経済活動ができていけたらいいなと思っています。
記事では語りきれなかった話もたくさん!!
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