突然ですが、あなたはプログラミングスクールの講座作成担当だとします。
プログラミングスクールの理解度を向上させユーザーの満足度を上げるために、あなたならどんなことをするでしょうか?
当然カリキュラムの丁寧さを上げる、更新頻度を上げて実務での実装に近くなるようにする……などを行えば満足度は上がるでしょうが、それ以外となると中々思いつかないものなのではないでしょうか。
SUNABACOのプログラミングスクールを卒業された方ならご存知かと思いますが、SUNABACOでは時期と担当講師によりますが最近はだいたいプログラミングスクールの初日に「折り紙」を折ってもらっています。
冗談ではありません。Twitterで「折り紙 #SUNABACO」とかって検索すると、実際にその様子を見ることができます。
どんな文脈で折り紙が出てくるのかは受けてみてのお楽しみ..ということにしておきますが(当然突飛に入れているわけではなく、プログラミング的思考のモチーフとして出てきます)、折り紙を折るという作業がプログラミングスクールの頭に入ってくるわけです。
いったいどうしてこんなことをしているのか……このカリキュラムの実装からも1年半ほど経ったので、今回はその真相を語ってみたいと思います。
前提条件の整理
まずは前提条件を整理してみましょう。
SUNABACOのプログラミングスクールに参加される方は、自主的に検索でSUNABACOを見つけたり、誰かにSUNABACOを紹介されるような境遇にいる方たち。基本的に初日には「何か変わりたい」というモチベーションをもって来られています。予習の案内を出しているため、初日から予習をされてきている方も多いでしょう。
そして、本カリキュラムが始まるのは初日の講座の後半、1時間半めくらいから。前半はアナウンスに加え、SUNABACO代表取締役のナカムラからの基調講演があります。「なぜプログラミングを学ぶのか」というこの2ヶ月間の方針を示され、これからの世の中での戦い方を1時間頭に詰め込み続けた後になります。
さらに、絶対的に達成しなければならない目標として「学ぶのって楽しい!」という体験を1日目の時点で実現させる必要がありました。これはSUNABACOのプログラミングスクールの総合目標であり、その体験を続けることが学び続ける能力の醸成に繋がるからです。
したがって、抽象的な基調講演から具象的な講座内容に受講生の皆さんの思考を着地させつつ、学ぶのって楽しい!と感じるきっかけ作りをするというのが目標になります。
折り紙で脳を起動する
まず折り紙というのは、空間把握能力、想像力、そして手先の細かな動作を要するため非常に多くの脳の領域を活性化することが知られています。
特に右脳領域と左脳領域を同時に起動するため、やや抽象的で熱量をもった基調講演と具象的で単調なプログラミングの講座をつなぐ時間に適切なのではないかと考えました。
いきなりプログラミングの講座に入ると一拍その論理的思考についていけなくなり、ずるずると「言っていることは分かるがついていけない」という状態を引きずるのではないかと懸念したためです。
運動と同じように脳にもウォームアップの効果が確認できたとする論文が発表されているため、そのあたりを参考にしています。
知らないものは怖い
人間は知らないものを見たとき、本質的に拒絶的な感情を抱くと言われています。
これは単にネガティブな反応ではなく、原初の時代に「未知」を恐怖しないと死に直結したというところから生まれた本能的なものです(未知のものを怖がらずに次から次へと食べてたら人類は滅亡しますね)。
講座なので未知の連続になるのは避けられないのですが、2日目以降は1日目からの知識が「知ってる部分」となってくれます。そこで初日に全員に共通した「知ってるもの」「安心感を与えてくれるもの」は何かを考えた時に、折り紙がそこに当てはまってくれました。
折り紙は多くの日本人にとって幼少期から慣れ親しんだものであるため、モノとして視覚からも手触りからも安心感を与えてくれます。
加えて折り紙はデータではなく現物として初日の机の上に残り続けてくれるので、安心感を与え続けるものとして非常に都合が良かったのです。
「ぱふぱふ」効果
『「ついやってしまう」体験のつくりかた』(著:玉樹真一郎)という書籍に、ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する「ぱふぱふ」というコマンドについての解説が掲載されています。『ドラゴンクエスト』は王道のRPGゲームですが、ユーザーが飽きと疲れを感じたタイミングで「ぱふぱふ」という予想外のイベントが発生することで脳に新しい刺激を入れ、飽きを感じさせないという内容です。
もうお分かりかと思いますが、1時間近くぶっ通しで基調講演を聞いた後の一発目に、「折り紙」という予想外を入れることで飽きと疲れを解消できるのではないかと考えました。
また、1時間完全に受動的な行為を行った後に能動的な行動を行うことで同様に新しい刺激としたり、「手を動かす」というある種の肉体労働(?)を入れることも良い影響をもたらすと考えています。(頭がぼーっとしてきた時に掃除をすることで頭がすっきりしてきたという経験がありませんか?)
快楽物質を引き出せ
プログラミングスクールのカリキュラムの中では試行錯誤の中で成功体験を積み重ねていき、学び実践し実現させるというサイクルを定着させるという形をとっています。
試行錯誤の後に成功という体験をすることで脳内で快楽物質が放出され、その行動を強化するほうに脳が変化するのです(報酬回路といいます)。
しかし、序盤はどうしてもインプットが中心になってしまうため、Twitterをはじめとするアウトプットを入れていてもどうしても成功体験をつくるのが難しい状態にありました。
そこで、折り紙なら調べながらつくることで「できた!」という体験を比較的容易に初日から持ってもらえるのではないかと考えました。
実はこの段階では何が「できた」のかはそこまで重要ではなく、「結局やってもうまくいかないよね」という状態から脳内で「試行錯誤することって楽しい!」と思えるようになることが大切なのです。
もちろん、その後のプログラミングではその試行錯誤を大量に体験することができるようになっています。
人を、動かせ
どうだったでしょうか。
誰かにとってよりよい体験にする、って、なんだかおもしろくないですか?
実は、これこそがSUNABACOにとっての「デザイン」という思考なのです。
SUNABACOのあらゆるスクールは、脳科学・心理学に基づいて極限まで挫折しないようにデザインされています。
その結果、半分は挫折するといわれるプログラミングスクールにおいて離脱率1%という驚異的な数字を維持し続けています。
この「デザインする」という思想をもっと知ってほしい。多くの人に使いこなしてほしい。
そんな思いから、SUNABACOでは「デザインコース」というカリキュラムを提供しています。
ここまで読んでいただいた方ならお分かりいただけると思いますが、SUNABACOの語る「デザイン」はおそらく世間一般で語られている「デザイン」とは大きく異なります。
それは人を動かし、より良い方向へと導くこと。
だからデザインというのは決して特定の職種の人間にのみ必要な技能ではなく、誰もが学び活用できるものなのです。
特にこれからの時代、変化し続ける世の中で、誰もがクリエイティブな価値を生み出していく必要が出てくるでしょう。
そんな中で、デザインするという力は必ずあなたの役に立ってくれるはずです。
生み出す人への、第一歩。
一緒に挑戦してみませんか。
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