「熊本県企業立地課✕SUNABACOトークイベント」VUCAの時代、必要とされる人材育成とは

 1月11日中村マコトによる特別トークイベント『VUCAの時代、必要とされる人材育成とは』を熊本県で開催しました。

このトークイベントはYouTubeで公開中です。

登壇者紹介

中村良

株式会社SUNABACO 代表(詳細はこちら

コーディネーター

シリアルアントレプレナー
アクセラレーター
UXデザイナー
テクノロジストとして数々のスマートシティ、
シビックテックなど先進プロジェクトをリード。
日本最大級のプログラミングスクールSUNABACO代表としてリカレント教育、次世代の教育に関わる。

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田中博之氏

八代市総務企画部デジタル推進課

ゲストスピーカー

八代市のDX人材育成
DXを実行できる職員を育成できる事を目的に令和二年度からDX人材育成研修を開始。

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本山麻里子氏

八代市財務部・資産税課

ゲストスピーカー

新卒採用時、総合職で地元第一地方銀行へ入行
八代市役所へ入庁
現在2部署目、財務部・資産税課
令和3年1月〜3月 DX人材育成講座を受講

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八代市のDX人材育成

 八代市職員のDX人材育成研修は、プロジェクトを推進する実行力を養う事を目的に、令和二年度からスタートしました。

 競争環境に置かれた民間企業の人材との交流により、ノウハウや姿勢を学びDXに関わる意識を持つことを目的にしています。

 実際にSUNABACOのDX講座を卒業した市の職員の方が、卒業後に課や部署を超えてチームを組み公共の問題に対してアプリを制作し、コンペティションに応募しました。

DX講座を受講して

 DX講座卒業生である本山氏が、講座を受講後どのように自分を磨いたのか、仕事への取り組みにどのように繋げているのかを中心に話をします。

❶データを元に意思決定する。
❷文化の調整ができるようになる。
❸自ら学び変化できるようになる。
本当に必要とされるものを提供できるようになる。
本山氏

これらの4つの目標に沿ってDX講座で学び、アプリの活用による業務改善のプロダクトを考えました。


本山氏は、DX講座で実際に何を行ったのか今までの業務との違いを交えこう話します。

本山氏

DX講座では、相手が求める的確なUXを提供するという考え方を身に着けました。
学んだ事をアウトプットする卒業制作では、備品管理システム『Admin』を制作しました。

本山氏

制作にあたり、小さく早く開発し改良するアジャイル開発を活かしました。
最初から100%のものを求められる業務とは違うアジャイル開発は、私達行政職員の概念を、刷新するものでした。

DX講座受講後学んだことを、市政にどのように活かしているのか話します。

本山氏

DX講座受講後、八代市役所の異なる部署に所属する3人でデジタルを活用してより良い八代市を目指すチームを作りました。
アウトプットの機会として、チームでコンペティションにエントリーしました。

本山氏

“熊本を元気にする地方創生”という課題で熊本豪雨災害の経験を元に、政策提言しました。
安心安全な八代を実現する為に災害対応アプリをノーコードで制作しました。その結果エントリーしたコンペティションで熊本県知事賞を受賞しました。

本山氏は、今後についてこのように話します。

本山氏

今後も前向きに自分の意志を持ち成長に向けた正しい努力をしていきたいと思っています。人生100年時代では、どのように働き自分を成長させるか考える事が重要だと考えます。

DX化とは?

 変化が激しく不確実で様々なものが変化するVUCAの時代である今、DX化はなぜ必要なのでしょうか。

中村

人口が減るときに経済が悪くなるという事が分かっています。
そんな中で、日本はまた人類が見たことがないような少子高齢化社会が目の前に迫っています。

中村は、VUCAの時代にDX化する上で、重要な点に関してこう話します。

中村

今日本が行うべき事は、既存の行政や民間サービスを残すために合理化して、人ができる事は人がやり、機械にできる事は機械にやらせる事です。

中村

DX化で大事なポイントはコストを下げる事でありません。
サービスの低下を防ぐために、テクノロジーを使って効率化を図り、誰もがそのテクノロジーを使えるという認識を持つことです。

また中村は、これからの組織に必要になる事をこう話します。

中村

DX化はツールやソフトウェアをダウンロードすることでありません。DX化では、人にしか出来ない事に気付ける人材やプロジェクトを進められる人材を育てる事が必要になります。

変化が激しい時代に必要なこと

中村は組織のイノベーションについてこう話します。

中村

これからの時代は組織のイノベーションが必要になります。組織は横断的で普遍的にみんなで取り組む必要があります。今までの業務を棚卸しして、人がすべき事なのかどうか見極める必要性も出てきます。

今後の日本を今までの日本と比べてこのように話します。

中村

今までの日本は、同じ考えを持ち同じ事ができれば良かった。

学校教育で私達は、答えを与えられ間違えないように反復訓練する事が正しいと教えられてきたのです。

中村

しかし人口が減る今の日本でみんなが同じ考えを持つと、皆で悪い方向に向かっていってしまいます。
このような事から今までの考えは今後通用しません。

VUCAの時代で重要なこと

中村は3つのポイントに分けて、VUCAの時代に必要なことを話します。

❶世の中に価値を提供する事
❷自ら学び続ける事
❸情報を集め精査する事
中村

特にVUCAの時代では技術や社会の変化に合わせて学び続ける必要があります。しかし日本人の成人の平均学習時間は1日6分と世界最低です。

中村

平均時間が低い理由は、会社の輪を乱さないために、一日中参加する必要がない会議に参加している事などが関係しています。
そこで、企業や会社が変化を起こす必要があるのです。

DX化に必要な人材

中村

今までは輪を乱さずに人と同じことをしていれば良かったが、みんなで同じことをしていると失敗する中で、試行錯誤ができる人間が大事になります。

中村

また、自分自身を成長させないと生きていけない時代である現代では、デジタルが分かる人間は重要でないのです。
組織を変化させて人の困りごとに対して解決策を提供できる人が本当に重要になります。

編集後記

今回のトークイベントで変化が激しい時代である今こそ学び成長する事が必要だと感じました。
また、技術が発達して、大きく様々な事が変化する中で、適切なDX化を進める事が、今後重要かつ必要になると強く感じました。