(まとめ)猫山課長著書「銀行マンの凄すぎる掟」出版記念トークイベントレポート

『クソ掟の「無力化」で日々を変える!』
note大人気作家の猫山課長がついに本を出版!

2023年11月4日(土)SUNABACO高松で”猫山課長著書「銀行マンの凄すぎる掟」出版記念トークイベント”が開催されました。

全てのトークを収録した「前編」「中編」「後編」は各リンクから!
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>>中編へ
>>後編へ

〜本の紹介〜
金融機関は厳しいノルマ、厳格な管理体制、世間からの目、上司からの人権を無視したかのような叱責、旧態依然とした環境、謎の風習など、人間性を損なう”機会”が数多くちりばめられている。そして勤務する人間は心を麻痺させ、その世界観に染まっていく。
しかし、それでよいのだろうか?一度きりの人生、給料をもらえれば、会社の意向に自分を染めあげて、それで幸せになれるのか?
本書では、そんな「クソ環境」でも、人間として自分の納得できる日々を送るための考え方、行動の仕方をその道二十数年の金融機関の現役課長が伝授する。ポイントは「視点を変え、自分の半径5mを変える」こと。
銀行マンを筆頭に、息の詰まりそうな日々を過ごすサラリーマン必携の書!

呪いをかけられた世代

就職氷河期といわれた世代。親からは「いい学校を出ていい会社に入れば一生安泰」と聞いて信じて生きてきたところ、大人になってその価値観、常識が目の前で崩れた。

世界は自分の力で変えられるものではないし、自分も安定だけを求めてただ流されていた。

親世代はインターネットにも影響されていない時代で、テレビやマスコミが作った「共通した倖せ」を信じて、それを子供に伝えてきた。
公務員や銀行員になれば安定した人生を送れる、敷かれたレールに乗っていれば安心、という『呪い』にかけられていた。

猫山課長もその呪いにかかっていた一人。

しかし、この呪いは時限爆弾。
若いうちは子供や家庭のためにがむしゃらに働いて走り続けるが
40代を過ぎた頃、自分の『ゴールテープ』に気づく。
所属している会社の与えられた役職は、50代の役職定年を機に外されて
それ以外の価値がまったくない自分が見えてくる。
60代で定年したあとも20年以上、無価値で過ごさなければならない人生が残っている。

この呪いを解かねば、と猫山課長は気づいた。
呪いを解くために、キャリアデザインを変えて自己実現について考え始めた。

呪いを解くための自己実現-発信して見つけてもらう

「価値をどれだけ持つか」
○○銀行の○○課長という肩書きしか持たなければ、定年後自分の価値はゼロになる。
今までは組織の中でフィットするように生きてきたが、組織ではない中で生きていく人生もあると考え始めた。

そこでまず猫山課長はX(Twitter)を始める。
何を売るか、はまだわからないが、まず必要なのは「影響力」だと考えた。
売りたいもの、届けたいものができたときに「届けられる」インフラを作る。

まずはフォロワーを増やす。2019年5月、『猫山支店長』を誕生させた。

『探索・学習・実践』

自分が会社によらず価値を生み出していく、個人のブランドでやっていくといったときにまず何ができるかを探索。
「文章を書く」ことを強みとして見つけ、それを活かすにはどうすればいいのか、どんなプラットフォームがありどんなものがマーケットで求められているのか、誰にぶつけていくのかを学習。
そして最後は実践。恐れずに書いてどんどんアウトプットしていく。

みなさんにもやってほしい、まずはぼんやりでいいから「自分に何ができるかな」と『探索』、これかなと思ったらそれを『学習』して掘り下げていく。ある程度学習できた時点であとはアウトプット、『実践』です。この3ステップ。

猫山課長

フォロワーが3000人超えるとグッと発言力や影響力が増す、と言われていたので1000〜3000人をまず目標に掲げた。
目指すは田端信太郎さん。
1000人超え3000人超え5000人超えたところでSUNABACOと出会う。

ここが大事で、発信していると見つけてもらえるんです。発信してないと見つけてもらえる可能性はゼロです。
まずは発信しないと見つけてもらえないんですが、ただ発信しても意味がなくて、発信するためにまずは探索して自分にできそうなことは何かな、と自分の中とマーケットを見比べて見つけてこれかなと思ったらそれについて学習してある程度これで発信できそうだと思ったら荒削りでもすぐ発信していくというのやらないといつまで経っても誰にも見つけてもらえない。

猫山課長

呪いを解くための自己実現-自分が何者であるか

会社員としての今までって結局「どこどこ会社のなんとか」からお前は何者だっていうことに、そう変えないと惨めなんです。

ナカムラ

会社員は肩書きがなくなった瞬間誰も挨拶してくれなくなることも実はわかっている。
ただ見ないようにして走り続けてしまう人が多い。

いずれキャリアデザインをやり直さないといけないことはわかっているはずなのに、準備をしない。
それなのにキャリアデザインしないのは、結局普通に真面目に時間通り勤めて、日々繰り返すと毎月お給料が振り込まれてくる、それが習慣になって当たり前になって55歳の崖が幻想みたいに感じる。

SUNABACOでは、どんな時代が来ようとも自分の力で「お前は何者だ」を作れるように学ぶ力をつけることをお話しするが、大企業で話すと「オーバーですね」と言われます

ナカムラ

呪いは解くべきなんですけど、逆にいうと「呪いを解いてくれるな」なんです、本音は。

猫山課長

真面目に勤め上げて定年を迎えて退職金をもらい、年金で老後を過ごす。
昔はそれが福音だった。
しかし世界が変わって『呪い』となった。
それに気づかない人が55歳になるころ、どうしよう!となってしまう。

キャリアデザインを考えるきっかけ

みなさんに想像してもらいたいんですが、今、手取りの年収が例えば3割減ったとします。
生活できます?
生活水準も下げられないし、見栄もある。
今まで通りの生活ができればいいけどマイナスになっていく。
それが本当に50歳になったら来るんですよ。
その恐怖にゾッとしたなら動き出さないといけない、55歳までに。

猫山課長

やり方は3つ。
1つはもう徹底的に節約して3割減でも生きていける生活水準に落とし続ける。
もう1つは副業でカバーしていく。
あともう1つ、銀行だと関連会社の取締役などに出向して年収の減少をカバーする。
どれを選択するか55歳までに考えていかないと、60歳はもう価値がゼロになる。

みんな呪いに見事にかかって、キャリアデザインをするということを忘れてしまった。
人生100年時代って言われ始めていろんなことが厳しくなって、さらに健康で若いまま歳をとるようになって。
我々がやらないといけないことは自分のキャリアデザインをちゃんと考えること。
それを求められる多分1番最初の世代なんです。

ナカムラ

今、副業や起業は非常にリスクがなくなってきている。
昔のように今日から会社をやめて起業します!というのではなくグラデーションでリスクを低く始められるようになっている。
SUNABACOのDX人材育成講座やアントレプレナーシップ育成講座では、科学的に失敗しづらいメソッドについて講義している。

猫山課長も、まずはX(Twitter)から始めて他にも副業を始めて自分のキャリアデザインを考えてきた。

ずっと探索をしてた。自分は何ができるかということ。
土日を楽しみにウィークデーを過ごすみたいな人生の過ごし方はこの世に生を受けてあまりにも惨めだと。SNSを見てると強く思いますよね。

猫山課長

若いときに「こんなおっさんになりたくない」と想像していたものに、
自分が近くなっていく強烈な恐怖感。
そこで、このどうしようもない平凡な中年がどこまでやれるかのゲームをはじめた。

まさに政府がターゲットにしている「リスキリングすべき層」と重なる。

自分の付加価値を高めていくっていうことを40代でもできるというのは僕は信じてなかったけど、僕が実験台になってみようと。

猫山課長

リスキリングで一番最初に大事なこと-アンラーニング

リスキリングで一番最初に大事なことは、猫山さんも今話してる過程で出てきたんですが「アンラーニング」なんです。
自分が正解だと思っていたものをぶち壊す。

ナカムラ

偉いおっさんのままでここに学びにきても基本的にうまくいかないんですよね。
多分彼らはどこにいっても『自分は分かってるおじさん』を辞めない限りは新しい人生なんてない。呪いがかかったまんまなんだから。

ナカムラ

このトークイベントに来られている方は違う。
自分は何もない恐怖があってキャリアを何か作らないと、と気づいている。

だからアンラーニングできて、新しい自分を踏み出したやつは「勝ち」ですよ。
体感でいくとそっち側の人間は1割いないんじゃない?って思う。
おめでとうございます、勝ち組です!

ナカムラ

昔と比べると同じ年齢でも若くなっている。
年齢の壁は徐々に消え、いつからでも人生を変えられる。

猫山課長はX(Twitter)から始め、自分の価値は思いや考えを文字に起こして発信することだと気づき、140文字の世界からブログのnoteの世界へシフト。
副業として収入につながるところまできた。

自分が無価値だと気づいた猫山課長がnoteの発信によって「自分にはこういうことができる」「こういうことが求められている」、探索をして、世間に対して提供できる価値を発信することによって発見し、それを繰り返してユーザーを増やしていったということですね。

ナカムラ

自分の持ってるものをいかに活用するかが大事。

猫山課長はマーケットについても自分の世代が一番求められているという。
40代、他の世代に比べて人口が多く、また同じく頑張っているけどこのままでいいのかと思い悩む世代に、同世代の猫山課長の言葉が届く。

逆に田端信太郎さんやナカムラの生き方も、同世代に刺さる。

SUNABACOって実は『元々持ってた自分に気づく場』なんです。

ちゃんとできる人がちゃんとアンラーニングして新しい自分の価値を探りに行った方がよっぽどいい。
何したくてどんな人だったんだっけっていう本来の自分を見失っているんです。
真面目に生きてきた人たちが、Twitterで見た目派手なやつを見て「ああ、同じ世代で出来ていていいなぁ」というのをリアルに感じて、「こんなふうに本当は俺もやりたかったのかもしれない」と。

ナカムラ

みなさんにSUNABACOに来てもらって気づいてほしい大事なことは「アンラーニングして生きていけるんだ」ということ。
子供たちにしても「あんな変な大人でも生きていけるんだ、学校いけない僕でも大丈夫なんだ」と感じてもらえること。
それがSUNABACOの価値なんです。

ナカムラ

自分が何者であるかに気づいて掛け算をする

昨年の8月、猫山課長が初めてSUNABACO八代を訪れた。

強烈な、前が開けた感。「そうやって生きていってもいいんだ」っていうのを徐々に。
どんどんダイブしていかないと、やっぱり自分の半径5メートルの範囲の体験では限界がある。
今はネットやSNSで遠くの人と交流しながら繋がりが作りやすいので、そのツテを使って会いにいくということが昔と比べてめちゃくちゃやりやすい。

猫山課長

そういう今までと全く違う環境にダイブする、それが大事でアンラーニングの一つのポイントなんです。
自分の思っている価値以外の世界に出ること。その機会を自分で作れるというのが実は一番大事なこと。
プランドハップンスタンス理論というんですが、予期した偶然を自分で作っていくことが自分の人生を打ち破る。

見ず知らずの相手がどうとるかわからない人に初めましてすることが「自分が何者であるか」を思い出す上で一番大事なんです。

ナカムラ

そこで、猫山課長は自己紹介をするときに気づく。

自分のことなんて言ったらいいんだろうって思った時にまず自分の勤務先が出そうになるんですよね、どこそこのなんとかですって。
その時気づく。全て取り去った後に自分をアピールできるというか紹介できるフレーズが何もないって。
これは強烈な体験でした。

猫山課長

年に1度でもいいから、「自分は何者だったか」というのを思い出す3日間みたいなものをすると自分の人生が変わる。

例えば今日、皆さんとお会いしたときに自分のことをなんて紹介するかっていうところから始まるんですけど、仕事の肩書きとか誰それのお母さんとか地域の役だとかPTAの会長だとかそういったものを取り去った時に、自分を他者に対して何て紹介しますか。
ただの挨拶ならいいんですけど、今後ビジネスに繋げて行ったり関係性を構築する前提で、自分をなんて紹介するか、なんて紹介したいかってことを探していく。
あとは掛け算です。自分が発信したい媒体に、自分の強みを載せて掛け算していく。

猫山課長

たとえばSUNABACOでもWebについて教えているが、ただのWeb屋さんになってしまっては非常に不利となる。
大事なことは、自分の得意を見つけてそこに何かを掛け合わせて『単なるWEB屋さん』じゃなくなること。
自分が思っていることや技術に何かを掛け合わせた瞬間にoriginになる。

猫山課長は、文字での発信力と地方で頑張るサラリーマンという属性が掛け算になっている。

それはすごく大事なことで、マーケティングでいうと「ボリュームゾーンを見失ってはいけない」ということ。
実は地方ってチャンスに溢れてる。ボリュームゾーンを見るっていうことをしないといけない。

ナカムラ

また、共感を与えるnoteであることも重要だった。
誰かの役に立つことを発信するのではなく、「共感」を呼ぶことも猫山課長の戦略。
40年生きてきて、凡人として人生終わるのかという恐怖から走り出した。

多分この本を出版社が出そうとした理由って『凡人への共感』ていうところ。
ビジネス書として学びましょう、っていうところではないですよね。
40歳半ばのおっさんの共感ですら市場になって副業に繋がっていくっていう時代になってきているんですよね。

ナカムラ

 これからのビジョン

元々は凡人であった猫山課長だが、すでにnoteでは人気作家、本まで出版してすでに有名人になりつつある。

しかし、共感をベースにしていく点はこれからも変わらないという。

飛び抜けた成功事例ではなく、プチ倖せを掴みました、みたいな事例としてずっと見ていただきたいなと。
こういうステップで行ったっていうのを真横で並走して見ていただきたい。
伴走していただいて、僕は一か八かよくわからん道を歩くので、あなたが歩きたいかもしれない道を先に僕が歩くのでよく見ててね、っていうことです。

猫山課長

サラリーマンから脱したってその狭間で何があったかってところは掘り下げられると思うんですよね。
サラリーマンからそうじゃなくなった時の苦労であったりとか視点の変化とか。
そういう経験ってまた僕の蓄財になってまた情熱を持って発信できるのではないかと。

猫山課長

今後とも猫山課長の変化と、猫山課長もおっしゃってましたがちょっと先をいく猫山課長について「次に誰が続くのか」ということも見ていきながら、「己は誰だったのか」を思い出すために日常を離れてこうやって旅費と時間を使って集まって来てくださることは非常に貴重で、また己を見つけることは皆さんの人生にとっても良いことがあるのでぜひまたこのような機会があるときにはお越しください。
猫山課長、本日はありがとうございました。

ナカムラ

トークイベントのあとは猫山グッズが当たる抽選会やサイン会など、ご来場者のみなさんと猫山課長で交流を深められていました。
登壇いただきました猫山課長、ご来場いただいだみなさま、ありがとうございました!