爆速で組織が変わる新しいグロースハックというマーケティングの考え方

2019年10月5日にSUNABACO EBETSUで行われたトークイベントについてまとめました。
広告をうつだけでは集客が増えるという奇跡は起きません。マーケティングに必要なことは、
広告にお金をかけることでも、センスでもありません。

新しいグロースハックというマーケティングの考え方は、これからの時代に必要な考え方です。
気になった方はぜひご覧ください。

1.売るべきは「もの」ではない!

作品やサービスを作って終わり、作って満足になっている人は意外と多いのではないだろうか。
Web制作の現場でも、ホームページを作ればお客さんがやってくると感じている人が多い。
しかし実際にはホームページを作っただけでお客さんが増えるという奇跡は起きないし、
当然収益にも繋がらない。
作るだけではなく、お客さんを連れて来て、さらに目的の行動をしてもらうことまでしなくてはならないのだ。
そこで考えるべきことはモノを売るのではなく、

付加価値を提供するということ。モノを売るだけではお客さんに目的の行動を取ってもらえない。

そのためにはクライアントの目的は何かを明確にし、その目的を達成するために、ターゲットや競合
相手を考え、どのような人がどこからやって来るのか、目的を達成するための行動をしてもらっているかを検証し、必要な改善をしていかなくてはならない。
これができるようになると「普通のWebデザインができる人」から、「売り上げを上げられる
コンサル」
になることができる。

2.信じるべきはあなたの感覚ではない!

では、目的を達成するための検証や改善はどのように行えば良いのだろう。
それには、ユーザーの反応を見ること。信じるべきはお客さんの行動であり、あなたの感覚ではない。このユーザーの反応は、テクノロジーの進化により簡単に検証することが可能になっている。例えばgoogleアナリティクスは、登録したサイトの利用者の訪問状況、流入経路、行動パターンなどの情報を容易に手に入れることができる。

また、ヒートマップやアイトラックといったサービスを使えば、ページ内のどこがよく読まれているか、ユーザーの視線はどのように動いているかを調べることができる。
これらのサービスは、無料または安価で手に入れることが可能である。

このようなツールを有効に活用すれば、例えば寄付金を集めるサイトであれば、仮説を元に3つの
デザイン(家庭的・威厳のある・自然派など3つのデザインなど)を考え、そのデザインをランダムに表示させ、どれが最も寄付に繋がるデザインかを検証することができる。

同様に、ある航空会社では「早く予約すると料金が安くなる」ことをPRするページのデザインを3つ作り、どのデザインが最も目的の行動、つまり航空券の予約に繋がるかを検証した。
その結果、デザインが美しい物や、安さを前面に出したものより、「ファーストビュー」のなかに
「次にしてもらいたい行動」が全て入っているものが最も目的の行動に繋がっていることが判明し、
これを元に収益を増やすことに成功した。

この「ファーストビュー」は、成功している大手の通販サイトが参考になる。そのようなサイトの
ファーストビューは、価格はもちろんチケット予約や買い物カゴのボタンなど、ユーザーに行動してほしいことが入っており、あちこちのページに飛ばなくても次の行動に移れるデザインになっている。

なお、ユーザーの行動を考える時には、AARRRモデルという考え方を取り入れると良い。

AARRR(アー)モデルとは、

Acquisition(アクイジション/新規のユーザーを獲得する)
・Activation(アクティベーション/良い体験をしてもらう)
・Retention(リテンション/繰り返し使ってもらう)
・Referral(リファラル/友人を紹介してもらう)
・Revenue(レベニュー/課金してもらう)

という5つの言葉を頭文字につなげたものである。
上から下へとユーザーの段階が進み、それぞれの段階に応じて、ユーザーがどのような行動をし、
それが目的の行動にどのくらい繋がっているのかを検証すると良い。

3.全ては試してみなければ分からない

さて、検証をすることで、人がどこで離脱するのかに気がつくことができる。人が離れてしまうのはそれだけの理由があるからで、そこを改善しない限りそのサービスからは人が離れてしまう。
だから新規ユーザーを集めた後にしなければならないことは、サービスの穴を探し、一つ一つ埋めていく作業である。

イメージとしては、大きなひしゃくで水を汲み、バケツに入れていきながら、水漏れしている箇所を探し、空いている穴を一つ一つ塞いでいくようなものである。
この穴を探すために必要なユーザーがどのような動きをするのか、理想の行動をしてくれるのかという情報は実際に試してみなければ分からないため、サービスは作ったところからが本当の勝負となる。

だから、最初から完璧なものを作ろうとしたり、はじめに計画したものを作って終わりにしようと
しないこと。完璧な設計より試していくほうがより良いものを生み出すことができる。

今、思い描けることは、今の自分ができることでしかない。今の自分の計画では今の自分の能力を
越えることができない。
しかし、毎日小さな改善をし続け、それがプラスの努力であれば今自分が考えていることより、すごいところにたどり着くことができる。

0.99の365乗は0.03
1.01の365乗は37.8

小さな改善だとしても、効果のあるプラスの努力をしていけば、1年でそれはとても大きな差に
なっているのだ。
マーケティングに必要なことは、広告にお金をかけることでも、センスでもなく、

ユーザーを理解していくこと。そして小さな改善を繰り返すこと。

このことを念頭に置いて作品やサービスを提供していきたいですね。