SUNABACO Traditional Jazz Live Vol.01 イベントレポート

音楽とビジネスで地域活性化をはかる新しいイベント

2023年9月2日(土)SUNABACO今治で”SUNABACO Traditional Jazz Live Vol.01″が開催されました。

今治市長 徳永氏とFUJISOFT AMERICA INC,COO兼CFOであり世界的ベーシストとしても活躍されている中島恒久氏を迎えた弊社ナカムラによるトークライブのあと、ニューオリンズジャズスタイルのトランペット奏者中村好江氏を中心にトラッドジャズの最高峰メンバーが集結し、本格ジャズライブで盛り上がりました。

SUNABACO今治はコワーキングスペース内にステージと本格的な機材を置き、上質な音響でライブイベントができる環境を整えています。

今回はジャズの街今治で、たくさんの人たちにニューオリンズスタイルのオリジナルフード&ドリンクとともにトークと音楽を楽しんでいただきました。

トークライブ「音楽とビジネスと地域活性化」

中島恒久さん:
このライブの企画とホストとベースを弾きます。
アメリカサンフランシスコに住んでいてIT系のシステム開発の経営をしています。

ナカムラ:
SUNABACO今治が赤いカーテンをかけてライブができるような設備になった理由、影響をうけた人の一人にツネさんがいます。

中島恒久さん:
もともとここにライブができるような設備を置きたいよねってなったときにコンクリート打ちっぱなしなのを見て、ニューオリンズにある、赤いカーテンが印象的な僕が好きなライブハウスみたいなのが良いという話をしたらそれっぽく再現してくれて。これはライブしないととなりました。

ナカムラ:
今日はもう一人登壇していただきます。
今治は観光都市。「今治ジャズタウン」が今年ファイナルとなったが、今後も今治で音のなる場を作っていきたい、ナイトエコノミーとしてこういう場が合ったらいいよねという話をしてくれた今治市長です。

徳永今治市長:
市民が真ん中。市外や県外から来られた方も、今日から今治市民です。
今治で生まれ今治で活躍している人だけでなく、県外で活躍している人も、また県外から今日のようにお越しくださった方が「今治の力になりたい」と思ってくれたらその方も市民です。

ナカムラ:
また「子どもが真ん中」という政策で「日本一おいしい給食レシピコンテスト」が開催されて、こういうのは題目だけだったらよくあるが、実際に審査員は子どもでした。

徳永今治市長:
今治は地産地消をいち早く取り入れています。
鉄人と名付けたシェフのみなさんがレシピを考えて、それを給食を作ってくれる調理員さんや栄養士さんみなさんの手で子供向けバージョンに作り変える。大人の皆さんが普段作られている献立についても公募しました。

どこの地域もだが人口が減ってきている。
今治で生まれた子供たちが「なんかあの学校給食おいしかったよね、誰が作ったんだろう、一緒に今治いって確かめよう」みたいに「戻ってくる今治」というのも目指しています。

ナカムラ:
「戻ってくる今治」について音楽の面でも。
経営的にライブハウスが厳しくなってきて音がなる場がどんどん減ってきている。
そういう意味で今治ジャズタウンがやってきたことのその火は途絶えさせたくない。

徳永今治市長:
今日はその関係者のひとたちも来ています。
今治は港町。ジャズの似合う街にしていこうとした時に、やろうと立ち上がってくれたメンバー。25年間続いたイベントなのでその火は途絶えさせたくない。
普段着で聴けるジャズがいろんな形で広がっていってほしい。

文化の交流地点をつくる

ナカムラ:
今治は港町、ニューオリンズもミシシッピ川のほとり、似ているところがありますね。

中島恒久さん:
水があって、人が集まる、ものが集まる、それがまじって一つの街になっているみたいなところが同じ感じがします。
今治には美味しい中華料理屋さんが多くあるのも、港があって外からたくさんの人が入ってきているから?

徳永今治市長:
それに加えて日本最大の海事都市であることや今治タオル製造について外国の方がたくさん働いてくださっている、なかでも中国の方が多かったので、中華料理の文化も進みました。

ナカムラ:
それでいうと今日はジャズのメッカニューオリンズで食べられているクレオール料理を用意して本場の味と音を味わってもらおうと思っています。
ニューオリンズにはアフリカの文化、フランスからの移民などの文化が合わさって生まれた音楽や食べ物がある、今治も似ているところがあると思う。
文化の交流地点。
SUNABACOについても普段プログラミングスクールをやっているがプログラミングはツール、それをつかって何をやるかとなったときに必要なのはいろんな教養、いろんな人が集まる場。
ツネさんがニューオリンズ風のステージを作ろうといってくれたときも、ただのコワーキングスペースでプログラミングを教えているところに文化的要素なものが交わっていけたらいいのでは、それが今治にフィットするのではないかとなりました。

中島恒久さん:
なんでも調べたら出てくる時代だが、言葉には表せないけどなんか好きという感情、体験が大事だと思っています。
一般的なプログラミングスクールのはずが、こういうステージがあって本当にライブをする、なんか面白そう、みたいなのはただパソコンの前に座っているだけでは感じない、こういう面白さを感じられる場があると文化的価値が上がるのではと思いました。

ナカムラ:
海外の人がたくさん集まってくるこの街にナイトエコノミーがあって、交流できる場所って必要。そこから仕事や新しい産業もうまれることがある。

徳永今治市長:
今治は住みたい田舎1位をとっています。
子育てしやすい、アクティブシニアのみなさんのセカンドライフの場としても選ばれている。
この一年間ですごい反応がありました。
今治港では「せとうちみなとマルシェ」というイベントも行い、たくさんの人があつまる場所を作りたかった。
そして今回SUNABACOができ、ライブ会場ができた。

中島恒久さん:
ジャズと一言でいってもトラッドジャズ、モダンジャズ、コンテンポラリジャズなど色々あり、それぞれ好きな人が違います。
トラッドジャズについては東京くらいでしかミュージシャンはやっていけない。
なのに今治でこれだけこの音楽を聴きにくる人を集められるのはすごいことです。
今日ここでトラッドジャズを聴いて知ることで、今後はちょっとひっかかるようになる。
知らなかったら引っかからないことも、ここで体験していいなと思うことで今後きいてみようとなる。
そういうきっかけを作る場所になると思います。

体験を通し「きっかけ」を作る場所になる

ナカムラ:
きっかけを作る場所の話。
今回SUNABACOとして集客できたのはやはり県外の人が多いです。
SUNABACOとしては音楽を通して人が集まる場を作ることはできても、地元の人に集まってもらうことはまだできない。
観光客としてきている外国の方にもふらっときてもらって「この街にくると夜こんな楽しい場所がある」と帰って広めたりもしてもらいたい。
そこで市長、行政のご協力があればと思います。

徳永今治市長:
今治のしまなみ街道など、魅力はあるがまだまだ知ってもらえてない。
これも私たちがどう発信していくか。行政参加で動かしていきたいです。

中島恒久さん:
ビジネスだけでは人は仲良くなれない。体験がつなぐものがあります。
最初から仕事の話ではなく「あれ面白かったよね」という会話からはじまり、「ところでどんな仕事しているんですか」「それなら今度一緒に」みたいなのが動く。
アメリカでもそうでした。

ナカムラ:
文化の奥深さについて体験してほしいというのは、今回料理にも表れています。

中島恒久さん:
ガンボはニューオリンズの名物料理。
ここでニューオリンズのライブをするならニューオリンズの料理を出してほしいとお願いしました。

ナカムラ:
ニューオリンズの料理ガンボをアレンジして今治の食材を使った「今治ガンボ」も作ってみたいという話もしていました。

徳永今治市長:
我々がSUNABACOに期待していること。
長くここに住んでいると当たり前になっているものが多くある、そういうものの魅力をナカムラさんにひきだしてもらって、先ほどのようなニューオリンズと今治の素材を掛け合わせて新しいものを作る、というようなことをしていってもらいたい。

ナカムラ:
今治のジャズとあわせて何かを生む、みたいなのをやっていきたいですね。

中島恒久さん:
今日はニューオリンズ×今治の食材をとなっていたけど、今後もこういうきっかけがたくさんあればいいなと思っています。
こんなことしたいからナカムラさん一緒にここでやりませんかみたいな、ここSUNABACO今治をきっかけにしてやりたいことをやってほしい。
またそれをみた人が「こんなことやれるんだ」と思ってまたやりたいことがある人が集まる、という流れができたらいいなと思っています。

徳永今治市長:
今回はナイトエコノミーであるが、いろんな産業がある、IT、DX部分でSUNABACOが今治の産業と関わってお困りごとを解消する、そうするとそれをみて「あっすごい」と思って他の企業も集まってくるようになる。

ナカムラ:
それでいうと今度DX人材育成セミナーを開催する予定で、それに参加する予定のみなさんや前回参加していた方もきてくれています。
ビジネスが一時期行き詰まっていた人もいるが、これを受けたことで福岡市の「ステップアップ助成事業」で最優秀賞を今回獲られた方も。

(株)nyans代表取締役 谷口さん:
今治のまちが気に入って、もう今治に移住して事業をやっていく準備をしています!

徳永今治市長:
今治が住みたい田舎一位になった話をしたが、これは偶然とれたのではなく「取りに行った」。
1位をとったことで外からの評価がこんなにあるんですよ、と今治に住んでいる人たちにわかってもらって、今治の良さに誇りをもってほしかったんです。
自分の地域がこんなに豊かであることに気づいてほしかった。

中島恒久さん:
今回、ミュージシャンのみなさんも東京などからきているし県外からの来場者のみなさんも「今治っていいところだよね」ってなったのはこういう場ができて訪れたことで得られた経験からだと思います。
全国にあるいいところも知る機会がないから、良いところに気づいてもらえてないということがあると思う。
知ってもらうためのアクションがないとだめで、これがないと始まらない。

徳永今治市長:
ここは日本で9番目のSUNABACOである、ということはすでにある他の8つの地域とも一緒に何かをやれるということ、やっていきたい。
他の地域と一緒にやるということでうちの部長の話をすると、今治と姉妹都市の群馬県太田市にいったとき、青森県弘前市の方もきていて、そこで弘前市名産のりんごと今治名産のみかん、フルーツ交流しませんかという話になって私になんの相談もなく話を決めてきました(笑)
そしてせとうちみなとマルシェに1トンのリンゴをもってきてもらうことに繋がり、それは40分で売り切れるほどの人気でした。
この話には続きがあって、りんごだけでなく(国指定重要無形民俗文化財である)青森県の「弘前ねぷた」も今治市にもってきてくれた。これにも市民のみなさんは大喜びでした。

ナカムラ:
地域とつながるという話では今日も地域とつながる若者がたくさんきています。
市長たちが戦略的にやった、他の地域とつながるということがSUNABACOでも起こりかけている。
今回SUNABACOがライブイベントができる場所を作ったが、これはきっかけの第一歩。
これを街のみなさんに活用してもらいたい。
今回は外から呼んだバンドでやるが、これからは街のバンドと一緒にやってもらうというのもやっていきたいですね。

今治ジャズタウン実行委員会委員長山本さん:
今治で長くやっているビッグバンドがあります。15人くらいいるがここのステージでもやれると思う。
ジャズを街に流しておしゃれな場所にしたいというのがそもそものコンセプトでした。
音楽とかアートとか感性に訴えるものはすごく心に響くし明日から頑張ろうという元気を与えられる。
我々は今治の街にジャズを流して活性化させたいという純粋な気持ちでやってきました。
これからもジャズの似合う港町としてみなさんに盛り上げていってほしいと思います。

中島恒久さん:
今日のライブについて、今日はニューオリンズスタイルということで全員椅子に座った状態で演奏します。
Jazzといえばトランペットと思うかたも多いと思います。
今回トランペットを演奏いただくのは中村好江さん。彼女とは二十歳くらいのころに知り合い20代に何回か一緒にライブさせてもらっていて、その後は自分が海外に出てしまったがニューオリンズでたまに集まったりもしていました。
今やニューオリンズでも有名なミュージシャンとなられているが、今回のライブをやるとなったとき一緒にやりたいと一番に浮かんだのが彼女であり、声をかけるとその他メンバーもすごい面々を集めてくれた。
またクラリネットがいるのがニューオリンズジャズの特徴であり、とてもかっこいいのでそこにも注目して聴いていただきたいです。
今日はみなさんも「曲名は知らないけれど聴いたことがある」といった有名な曲や、ルイ・アームストロングなどみなさんもちょっと知っているトランペット奏者の曲も演奏します。
フロントのみなさんも素敵だし、リズム隊の面々もかなり良い。Jazzはリズムが命、スイング、体を揺らしながら聴いてほしい。
今回はメンバーのCDもお持ちしているので、ぜひ手に取って応援していただきたいです。

ナカムラ:
今日をきっかけに市民のみなさんにこれからも使っていただきながらこういう文化の経験みたいなものをしていただきたい。
そのアイデアをくださったのは市長やツネさんなので、今回は柿落とし公演ということでまずお二人とお話しをしました。
今日は本当にきっかけ。これからよろしくお願いします。

世界で活躍するミュージシャンによる本格ジャズライブ!

トークライブのあとはクレオール料理とドリンクを片手にジャズライブを楽しんでいただきました。
シリコンバレーでIT企業を経営し、ジャズベーシストでもあるTsunehisa Nakajima氏をホストに、ニューオリンズジャズスタイルのトランペット奏者中村好江氏を中心にトラッドジャズの最高峰メンバーが集結しました。

左から
piano:深澤芳美さん
base:中島恒久さん
clarinet:田村麻紀子さん
drums:三輪朋彦
trumpet:中村好江さん
guitar:佐久間和さん

フランス人と黒人の文化が融合した本格クレオール料理も楽しんでいただきました。

楽しい音楽は自然と身体が揺れ動く。会場を巻き込んでどんどん盛り上がっていきました。

音楽には人種も性別も年齢も関係ない!どんな人も笑顔にし、動かす力がありました。

ライブ後の交流会

ライブの後はSUNABACO1階にあるカフェ「Pacific Parlor」で交流会が行われました。

様々な地域から、多分野で活躍されている方や夢を持った若者、音楽好きのみなさんが集まり、出会い、交流されていました。

生の演奏、その場で新しく生まれる交流、美味しい料理やドリンク、すべて現地に行かなければ味わえない体験です。

現地に行き、人と会い、贅沢な時間を過ごすことはとても大切だと再認識できた夜だったのではないでしょうか。

登壇いただきましたみなさま、素敵な演奏をしていただいたみなさま、ご来場いただいだみなさま、ありがとうございました!