
1月24日 トークイベント「これからの地方の企業立地のために必要なこと」が開催されました。
本イベントは熊本県企業立地課と株式会社SUNABACOが行なっているイベントの一環で、
7回目の今回は福岡市天神にあるGarrawayFにて開催いたしました。
会場からは続々と質問が上がり、トークイベント終了後も参加者同士の交流が続くなど、大変有意義なイベントとなりました。
登壇者紹介
メインゲスト
田端信太郎
1975年、石川県で生まれる。
子供時代は情報に飢えており、自転車で片道3時間かかる大型書店まで本を買いに行ったり、日経新聞を購読したりしていた。大学は慶應義塾大学経済学部。
株式会社NTTデータ→株式会社リクルート→ライブドア→LINE→株式会社ZOZO(株式会社スタートトゥディ)という経歴の持ち主で、メディアのプロであり、コミュニケーション戦略のプロ
現在は、「オンラインサロン 田端大学」塾長を務めつつ、レディオブックCMO(チーフマーケティングオフィサー)、トゥモローゲートCTO(Chief Twitter Officer) 他、akippa、wevnal、ポケットマルシェ、Carstay、レディオブックなど、多数の企業でマーケティング顧問を務めている。


コーディネーター
中村良
株式会社SUNABACO 代表
シリアルアントレプレナー アクセラレーター UXデザイナー テクノロジストとして数々のスマートシティ、 シビックテックなど先進プロジェクトをリード。 日本最大級のプログラミングスクールSUNABACO代表としてリカレント教育、次世代の教育に関わる。
地方の若者は東京へ行け
中村:今日は「これからの地方の企業立地のために必要なこと」というテーマで、地方と都会の繋がりを中心に、田端信太郎さんをゲストに迎え、トークイベントをしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
田端:よろしくお願いします。
中村:東京や都会ではコミュニティーを作り、外部の人がなかなか入りづらいという中で、
田端さんはそう言った人たちと地方とを結ぶ入口となっていますよね。
都会の中に、地方の面白い人を巻き込む、唯一と言ってもいい人物というか。
田端:もともと自分も石川県小松市の地方出身なんですが、入学した大学が幼稚舎からの内部進学がある大学だったんです。
大学から入って来た組はいわゆる、「外様」な訳です。
そこで「そのまま商社などに入っても仕方がない」ということで、当時勢いのあったインターネットの業界にどっぷりつかって、気づいたら30年以上たっています。

中村:田端さんのYouTubeで、「東京へ行け」という趣旨のものがあるんですが(※こちら→東京か田舎か?地方在住の方へ伝えたいこと。)
もっともで、地方で企業を運営する上で、東京や都会の人とつながらないと、うまくいかないと思っています。
田端:鹿児島大学に櫻井先生という先生がいらっしゃるんですが、10年か20年前、ネットで面白いことを書いてたんですよ。
「鹿児島で就職したいと、鹿児島で就活していた人は、鹿児島で決まらない。
福岡で就活してきた人は鹿児島で就活が決まる。
東京や、大阪で就活して来た人は、福岡で決まると。
面白いのは、東京でどうしても就職したい人は。。。?
シンガポールや上海で就活したらいいんですよね」
中村:マーケティングにしてもそうなんですよね。
僕がいる八代で売れるものを作る。 福岡で売れるモノを作る。 ではダメで、東京で売れるモノを作らなければいけないですね。
ポイントは「誰がその人を裏付けしてくれるのか」
中村:東京には場所としてのメリットは今や薄れている中で、大事なのは「人とのつながり」なんですよね。 なので「東京で突き抜けてコストの安い地方に移動する」というのが一番良いのではないかと思うんです。

田端:場所に意味はないですよね。 スポーツで言うと、J1やチャンピオンズリーグなんです。 そのレベルで勝負してた人だ というだけで。
でも地方の人は構えすぎな気がしています。 東京で仕事するってすごいことだ!
みたいな(笑)今や連絡手段も山ほどあるのに。
場所っていうより、各分野でのいわゆる「一流」とされている人から認められる。 対等に話ができる関係なんだということが大事で。
「東京が偉い」っていうのは結果的にそういう人が今東京に多い。 というだけなんですよ。
誰がその人を裏付けしてくれるか。 ということが大事だと思います。
中村:まさに。 そして今その一定のコミュニティー同士で仕事などを回し合う中で、そこにどう地方の人がコネクトしていくかがポイントですね。
イケてるアウトプットをするということ
田端:そんな中で、たとえばオンラインサロンもそうですし、Twitter、Facebook、noteでも、絵や文章など、アウトプットがはっきり見せられる人は強いですよね。
中村:基本的に成功できる人はアウトプットしているんですよね。
どんなアウトプットをするか。 というのと、誰とつながるか。
忖度するわけじゃないんですが、そういう目線で田端大学はすごいなと(笑)

田端信太郎が「マジレス」をするワケ
中村:月額1万円の会員に対して、田端さんが「マジレス」していますよね。
田端:たとえば、最近クラフトビールが流行ってるじゃないですか。
20代の女性とかで、会社を作ってやっていると、「すごいですね」としか言われないわけです。 確かにすごいですよ。
値段を聞いたら、750mlちょいで二千円だとか。
「それ、めちゃめちゃ中途半端じゃないですか?」と。

毎日飲むには高い。 かといってギフトには安すぎる。
どっちつかずだから、どっちかにしたほうがいいんじゃないですか?
みたいなことを言うんです。
マジレスをして、みんな嫌がるかなと思ったんですが「こんなこと言われたの初めてです! 言われてみたらその通りでした。」「ありがとうございます」みたいな。
なので調子に乗ってSMクラブの女王様みたいにビシビシ、マジレスをしまくるようになりました(笑)
誰も「マジレス」してくれない時代
中村:今やそんな経験なかなかないですもんね。
今や売れるモノを作る過程で必要な、マジレスしてくれる人がいないし。
田端:オンラインサロンのいいところは、「パワハラがない」ところなんですよ(笑) 嫌だったらやめればいいし。
僕がお金をもらっている側なので。
なので「上司だったら、今やこんなマジレスやらないよな という言葉まで使っています。」
そして上司と部下の関係と違って接する時間は短いので、短期間で頭にこびりつく言葉を使ってあげなきゃいけないと、あえて強い言葉を選んでいたりします。
会社だと今はできないですよね(笑)
説教は必要?!
中村:今社員に、「死ぬほど働け」とか言えないですよね。
でも本当は、20代のうちに死ぬほど働いて、仕事のインナーマッスルをつけた人が、30代になって活躍するんですよね。
今や言えなくなってしまいましたが、大事なことなんですよね。
そういうことを言ってくれるのが田端さんのYouTubeや書籍だと思います。
部下の教育に困っている方はぜひ田端さんの本を渡してみてください(笑)
田端:最近だと、会社では説教とかなかなかしづらいですよね。
ビデオ会議で説教とか、なんだか面白いです。(笑)
でも説教って、なんだかんだ言って大事なんです。
説教されてない若者って、35くらいから苦労する気がします。
中村:かつそれって、経験に裏打ちされたモノですし、特に田端さんのYouTubeや書籍は東京で戦って来た人のものなんですよね。
今の会社の価値とは
田端:会社の本質的な価値って、「制度化された師弟関係」なのではないかと思います。
日本の場合、大学を出た後ビジネススクールなどに通う文化もない。
そうすると1社目に入った会社が、見えない背番号としてついて回るんです。
なぜかというと、若いうちに一流企業に入っていると
「当たり前」のレベルがとても上がっているんです。

そういう部分が今までは東京で行われていただけで、本質的には人間関係なんですよね。
だから、地方の企業立地においてはそのアツい師弟関係や、熱が上回ることが本質なのかなと。
中村:そうですよね。企業誘致でよくある、助成金や補助金ではチキンレースや金の切れ目が縁の切れ目になってしまう中で、
一流の人や、情報に触れられると言うことが大事ですよね。
そういった場所やコミュニティーが、ちゃんと作られている場所があれば地方でも活躍できるんです。

後半では追加ゲストの
植野 直亮さん(トヨタ自動車九州 GarrawayF Business Producer)
そしてプライベートで参加された
小宮山利恵子さん(スタディサプリ教育AI研究所所長)
にも登壇していただき、会場に来られた皆さんと「アツい師弟関係」を築きました!
ぜひ、動画にてご覧ください!