登壇者紹介
今橋 計貴
数々のブランドを形作るマーケッター
株式会社goenn / CEO
ゲストスピーカー
世界の代理店ネットワークグループにおけるデジタルエージェンシーの元代表取締役社長。 ナショナル 〜 グローバルクライアントのマーケティング実績多数。 「故人とのつながり」をDXすることで、いつでも、どこでも、だれでもアクセス可能なエンディングの在り方を2022年から事業として展開。

中村まこと
株式会社SUNABACO代表取締役
https://twitter.com/nakamakoko
モデレーター
シリアルアントレプレナー・アクセラレーター・UXデザイナー
テクノロジストとして数々のスマートシティ、
シビックテックなど先進プロジェクトをリード。
日本最大級のプログラミングスクールSUNABACO代表として、
リカレント教育、次世代の教育に関わる。


日本の会社がんばれ!
中村:タイトルである「日本の会社頑張れ!」はですね。もともと今橋さんがアメリカから帰ってきて、日本の現状を見た時に感じてやるべきことはこれかなって思ったっていうとこなんですよね。
今橋さん:そうです。18歳からアメリカに行ってたんですけど、19歳で一旦戻ってきた時に身の回りにあるものが全て海外の企業のブランドで溢れていることに気付きました。
日本のマーケットはそんなに大きくなってないのに、かなり海外の企業が入ってて「日本の企業がんばれ!」をやりたいという事を思いました。

お墓のDX
今橋さん:死の供給量がこれから多くなっていく時代に対してどう対応していくかが、僕たちの事業の根幹にある部分です。
お墓のDXをやっていこうということを進めています。
お墓のマーケットとしての最高が到達点が2040年ぐらいと言われているんですけど、そこに対して僕らとしては何かしらしなくちゃいけないと考えています。
今の日本のお墓のマーケットは今の商習慣というのに合ってないってことがあると考えています。
昔はいろんな家族がいて、家族同士と付き合ってたんですけど、今は家族同士で付き合うっていうよりも、人一人の対等な関係のところが多くなりました。
墓を見てみたら〇〇家の墓って書いてるんですけど、家単位の関係でお墓の維持管理をするとなるといろんな問題が出てきます。お骨1個単位でちゃんとどこにどんな状態であるのかを
マイナンバーカードみたいにちゃんと管理していきましょうということを考えています。

中村:今橋さんたち株式会社goennは今の世の中のお墓の課題を解決をするっていうスタートアップなんですよね。
今回、熊本県にそのスターアップの会社を作ったんですよ。
日本の半分以上の都市はこれから消滅可能性都市になる
中村:日本って東京一極集中がすごいですね。何か事業を新しく起こしたりとかやるって基本的に東京でやらなきゃダメだったのが今までだと思うんですよね。
半分以上の町は人口が減って、消滅可能性都市になると言われています。
そんな中で僕は一番最初に金融がマヒすると思っています。なぜかっていうと、ATMは銀行の総コストの3分の1とか4分の1くらいと言われています。
お金がおろせない、お金を預けられないっていうことが進んでいくと、田舎には住めなくなっていくんですよ。金融がマヒすることで人口が減っていくと、住民サービスも今までみたいに維持できなくなって、スーパーとかも成り立たなくなってしまいます。

全てのビジネスは情報の非対称性
中村:地方の人口が減少していく中で今橋さんみたいなスタートアップが地方に出てきてる例がすごく増えてきてるんです。
それはやっぱりインターネットの普及、もう一つ地方にとって嬉しいのがこうやって東京でマーケッターをやってたとか、なんとかやってたっていう人が、熊本に来るっていうことがすごく重要です。
全てのビジネスは情報の非対称性で成り立っています。
あっちの八百屋には10円でキュウリが売ってます、市場では100円で売れます。それを知っている人は90円の利ざやを出せる。
ビジネスすべて情報の格差によって生まれていて、実は情報の格差ってインターネットが発達したらなくなるかっていうと、そんなことはないですよね。
ググるって、知っている単語しかググれないんです。そもそもそのワードを知らないものには出会えないんですよ。
これが実は情報格差の本当の姿で、いくらインターネットが発達しようとも人と人が会って情報を運んでくるような地方がこれから生き残る。
地方はいわば情報格差が小さくて東京とその都市、例えば熊本とかを行き来する人が増えて、世界と熊本を行き来する人が増えて情報が入ってくれば、基本的に商売ができるようになります。
それがすごくまず大事で、まずこの情報格差をなくすっていうことが大事です。
所得が増える地域では、人口も増える
中村:人口減少社会の中において、人口が増えてる場所があります。どういうところかっていうと確実に給料が上がっているところです。
熊本県の県北地域は、めちゃめちゃ人口が増えているんですよね。
こんな土地って実はなかなかないんです。こうやって流入が増えて給与が上がることで人が入ってくるっていう土地。そういう土地には外からたくさん人が来ます。
さらに熊本って世界の先端産業のカギを握るTSMCっていう会社が進出してきます。世界中からめちゃめちゃ有能な人が集まってくるわけですよ。Appleの最高経営責任者ティムクックが気になって視察にくるような都市なわけですよ。あれお忍びだったんだけど。
非常に発展の可能性がある中で、まず大事なのは、情報の格差がなくなるっていうのと給料が上がってるっているところが、実は消滅可能性都市が消滅しなくて済むかもしれないっていうことです。
今橋さん:情報流通っていうのがこの熊本っていうのは非常によくてですね。人の流通も情報の流通もかなり僕はいい町だと思っています。
熊本って九州のおへそって呼ばれてると思うんですけど、新幹線がつながったことによって、福岡経由して東京までもかなり近い利便性も高いです。
若い世代は繁栄を知らない
中村:実はそのそう日本ってもう長らく30年くらい不況じゃないですかで、うちの社員とか20代とか30代なんですね。繁栄を知らないんですよ。
繁栄を知らない僕らは何か景気のいい時代って知らないですよ。
そのような中、今の日本って何かどうせ無理とか、やっても変わらないとか、上に行っても上がフタをしてるから無理みたいな感じで、みんなやる前にダメだっていう言われ続けちゃうとチャレンジしなくなって、それが当たり前になってきて、社会全体がそれを被ってると思うんすよね。
やれるんじゃんという空気感
中村:SUNABACOってそうやって人が移動する中で、コロナ禍になる前は深センかベトナムのホーチミンかぐらいに拠点を置きたいなと思ってたんです。
なぜかっていうと、そこって世界で一番今繁栄してる場所なんですよね。
深センに毎回僕は行くたびに、情報を聞きつけて必ず会いにきてくれる人がいるんです。「ナカムラ、俺に投資してくれ絶対儲けさせるから」って言って、何かと思って聞いてみるとアホみたいなアイデアだったりするんです。
バッグの後ろにディスプレイをつけて歩くからみたいな。日本だってら、お前バカじゃないのって言われるような事なんですけど。
でも彼は、「俺はジャック・マー(アリババの創業者)になる」って言うんです。
ジャック・マーは出来がいい人間だった訳ではなくて、転職を100回ぐらいしてるのかなで、中国のケンタッキーフライドチキンの面接に行って22人通って、一人落ちたのがジャック・マーだったんですよ。
ジャック・マーは今、実はケンタッキーフライドチキンのオーナーですね。
そういう目の前でアホでも何でもこうやって成り上がれるを見てるから俺もなれるってみんな思ってるんですよ。
あの空気が超絶大事でそのミームってっていうのは文化的遺伝子っていうその人しか伝えられないものなんだけど、繁栄をしていく中でそれってすごく大事です。

やればできるっていうことを我々忘れている社会にいる
中村:今日ここに来てくれたり、京都セミナーに来てくれたり、高松に来てくれたりした人ってみんな何かをやれるんじゃねって思って、その空気の人に触れたくて皆さんまた来てくださってると思うんすよね。これがあることってすげえ大事です。
そういう外からそういう若い子たちが当たり前にポジティブにな空気に触れる場があるってすごい大事だなと思っていて、そういう人たちが全国ぐるぐる回ったらいいなと思って、全国の拠点を作ってこういう仕事をしてるんですけど、その中で熊本ってすごいいいと思うんですよね。
なぜなら、繁栄の中に身を置くって絶対的に大事なんです。
ホリエモンとかが何を仕事にするっていう時に伸びる業界に入れっていうことをよく言ってるんですよね。
そういう中でこれから伸びる場所ってAppleのティムクックも情報収集に熊本に来るんですよ。そんな情報が集まってる熊本に身を置くって多分めちゃめちゃ大事なんです。
アクセスが良くて人が集まって賃金が上がって人口が増えてるっていう場所ってなかなかもう日本にはないです。
今日のタイトルを「ある日本の会社頑張れ!」って言ってしまえば上にいる50代60代の役員とか、もう結局バブルはじけてそっからうまくいかなくてっていう中でもう無理なんじゃねとか、何かそういう空気に飲まれてるわけですよ。
まず、日本の会社頑張れでまず大事なことは、
やればできるっていうことを多分我々忘れてる社会にいるんですよね。
シリコンバレーのはじまり
中村:シリコンバレーって、一番最初フェアチャイルドっていう小さな小さな半導体メーカーが来たところなんですよね。
最初のきっかけは小さな小さな、そういう人が集まるっていうことだったんですね。
その半導体産業でインテルでお金を持ったマイク・マークラがアップルに投資をしてスティーブジョブスを応援したから、そのおかげでアップルが活躍し、その後スティーブジョブスが会社を追い出されたおかげでピクサーは生まれたし、それからGoogleやFacebookの投資が起こったし、ずっと投資が続いているんです。
一番はそうやって来るとこうやって人が集まって頑張ったら報われそう、やれそうっていう空気があるんです。
そこに身を置いて繁栄の中で事業を進めるっていうことが一番大事だし、そこに皆さんが繋がっていくことがすごく重要だと考えています。
質問者:熊本が、シリコンバレーと同じような状況とは具体的にその周りの産業が付随してどういったものが、どのように栄えてきたをお聞きしたいです。

中村:映画スティーブジョブスを見る会をやりましょう。
この映画の象徴的なのがAppleっていう会社はスティーブ・ジョブズと一緒にスティーブ・ウォズニアックという天才のストーリーなんです。ウォズニアックはシリコンバレーの半導体産業の会社の研究者の息子なんですよね。
何か作ろうと思った時、部品をくれる人とか周りにたくさんいたし、そういうエンジニアがたくさん住んでいたんですよねなので、そういう情報交換のコンピューターサイエンスの勉強会みたいなものがありました。
そんな中でスティーブジョブズと一緒にスティーブウォズニアックが活躍をしていく状況の中で、彼らは手にしたお金を次の事業にどんどん投資して、それが周りめぐってGoogleやFacebookに繋がってるんです。
エコシステムっていう生態系みたいなのが出来てきていて、その基点が半導体産業で起こっています。そういうことに詳しい人が新しいモノを趣味で作り出したみたいなことはから始まってるんですね。
要はこれからは半導体に詳しい人とかがいっぱい集まる中で、お金を提供するVCとか、人材育成系のものとかもたくさん来るわけですよ。
やっぱ知恵とお金が集まるとすごい強いことが起こっていく中で、何か今の熊本がシリコンバレーみたいじゃんってめちゃめちゃ思うんですよね。
例えば農業の何かを作るとか。でも、そういう半導体産業の天才とかが逆にいうと農業に触れたいみたいなことって、彼らはコンピューターエンジニアだったりする中で、だからこそ気付く農業従事者じゃない視点みたいなものはあったりして、やはりそういうとこからイノベーションが起こると思っています。
記事に書ききれなかった、トークイベントの全編はこちら