登壇者紹介
今橋 計貴
数々のブランドを形作るマーケッター
株式会社goenn / CEO
ゲストスピーカー
世界最大の代理店ネットワークグループの日本法人
元代表取締役社長、事業を本国法人にバイアウト
これまでの主なクライアント:ネスレ、ニューバランス、
ケンタッチーフライトチキン、シスメックス、阪急阪神グループ、NTTグループ、ユニリーバなど

中村まこと
株式会社SUNABACO代表取締役
https://twitter.com/nakamakoko
モデレーター
シリアルアントレプレナー・アクセラレーター・UXデザイナー
テクノロジストとして数々のスマートシティ、
シビックテックなど先進プロジェクトをリード。
日本最大級のプログラミングスクールSUNABACO代表として、
リカレント教育、次世代の教育に関わる。


マーケティングとはなにか?
中村:マーケティングって何か?っていう話をまずしたくて。
マーケティングってよく聞く話だけど、ちゃんと説明できますか?
一般的にはものやサービスを売る人のことをマーケターって言いますけど。そこを最初に定義したい。基本的には商品やサービスを売るための仕組みをつくる業務ですよね。
今橋さん:そうですね。マーケティングはいくつかのステップに分かれていて、まず最初に気づいてもらうこと。これが一番大事で、次に来るのがその商品を自分のためのものだと感じてもらうこと。いかにそれが素晴らしいものでも、結局自分のための商品だと感じてもらえないと人は買わないんです。

中村:日本ではマーケティングは広い意味と狭い意味の2つで使われています。今日は広い意味のマーケティングの話をしますが、狭い意味だとブランディングとかPR、アドバタイジングとかっていう領域のことですね。
広義でのマーケティングを考えるにあたって、実は経営は広義のマーケティングと考えることができます。
広義ではマーケティングの中にブランディングがぶら下がっていて、その中に商品戦略とかコミュニケーション戦略とかがある。
やらないことを決めるのが戦略
中村:皆さんが商品やサービスを広げていくために、だいたいこういうことを戦略的に組み立てて知ってもらって、自分のものだと考えてもらうというのが今日のマーケティングのお話になります。

今橋さん:戦略って言葉が出てきましたけど……、マーケティングって面白いのが、ほとんど戦争からきている言葉なんですよ。戦術とか戦略とかもそうですね。そして、僕らは実はやらないことを決めるのが戦略だと考えています。たとえば短期間でなにかをやりたいときに、一番シンプルな道を行くのがコストもかからなくてベストなので、最短距離を取りたい。これが戦略です。
マスマーケティングの終わり
中村:今日たぶん今橋さんと話す中でも重要になるキーワードに「マスマーケティング」というのがあって。昔は洗濯機があってカラーテレビがあって自動車を持っていることが国民みんな誰も幸せだよねって言っていたけど、これがマスマーケティングです。 でも、その後にインターネットが生まれて、マスなマーケティングがなくなってきた。みんなが今共通してほしいものってなくなったじゃないですか。

今橋さん:アメリカとかだとそもそもニューヨークとLAで時差があるので、同じタイミングで同じものが配信できないんですよ。どこかの地域で夕方6時にやってるニュースは、どこか他の場所では夜の10時にやってるってことなんです。それは同じようなコミュニケーションができないということでもあるんですよね。
中村:そんな中で、マーケティングって人の中に今までにないものを生み出して、それに対して訴求をしていくみたいな麺があるので、実はそれを知っていくことが重要なんです。不潔の歴史っていう本があるんですけど、もともと西部開拓時代のアメリカとかって、めちゃくちゃ不潔なんですよね。みんなお風呂も入らないし、それがなんともなかったんですよ。でも、ある日臭いがするのは恥ずかしいことですっていうことを発明した人がいて、不潔であることは良くないことですっていうマーケティングを打った。
比較されないためのマーケティング
今橋さん:マーケティングの最終地点は、自動でものが売れていく。僕らの存在がいらなくなるっていうのが狙う最終地点なんですよね。そして、やっぱり比較されているうちは他の競合と争っているので、比較されなくなるように僕たちがどうすればいいかということを考えなくちゃいけない。

中村:体験を売っていかないといけないですよね。
今橋さん:そう。動かせないところももちろんあるんですけど、そういうことを考えながらブランドの企画書を書いています。だから、ブランド全体を任せていただけないような時はご依頼をお断りしたりしています。
大事なタイミングで、掴む
今橋さん:実は、マーケティングをやる上で大事なタイミングというのが結構あって。まず、僕らに絶対ずらせないタイミング、世の中的なタイミングって呼ばれるものがあって、たとえば「そろそろクリスマスだな」と思ったら人はクリスマス的なことがやりたくなる。これが世の中的なタイミングです。クリスマスとかお正月とかバレンタインデーとか、要は仕掛けるタイミングが決まっているんですね。
今橋さん:次に団体的タイミング。これは会社が決めた休みとか、創立記念日とか、これは次にコントロールしにくいものになります。そして、最後に個人的なタイミング。誕生日がいつかとか。そんな話はどうでもいい話だったりする。タイミングというのはこの法則で考えると、マーケティングはシンプルになっていきます。

今橋さん、この度は貴重なお話をありがとうございました!
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